2024年3月30日。宇和島水産高校の生徒さんたちと一緒にシロアマダイの精巣サンプリング

調査に行ってきました。船を出してくださったのは、宇和島延縄漁師の宮本さんです。

宮本さんは主に豊後水道でシロアマダイやハモを狙う延縄漁業を営んでいます。

今回は、延縄漁業の操業方法についてもお勉強させていただきました。

6:00 今回は宇和島水産高校の調査のため、水産高校の桟橋に集合しました。

荷物を船に積み込んで出港。40分ほど沖に向かい、針の付いた糸を入れた直径1mほどの

たらいを船の後部に準備します。漁場には他の延縄漁師さんや底曳漁師さんも操業を行って

いるため、操業中にぶつかったりしないように入念に連絡を取り合って操業場所を決めて

いきます。これには結構時間もかかりますが、安全のためにもお互いの信頼関係のためにも

非常に重要な仕事です。ポールの付いたブイと仕掛けの付いた糸を縄でつなぎ、ブイを海に

落としていきます。このブイは、延縄を引き上げる際の目印になります。船を走らせると、

縄が海へ引っ張り出されていきます。この間も常に船が安全に航路を進んでいるか、

しっかり確認しながら操業を行います。縄の部分がすべて海に引きずり出されると、

次は仕掛けの付いた糸が引きずり出されていきます。1つ目の仕掛けにはゴムの付いた重り

を付けます。その後5~10個の仕掛けにはイカの切り身をつけて、また重りを付けます。

こうすることによって仕掛けを海底にしっかりと沈ませることができます。

この作業を行うこと約1時間。最後に繋げたブイを海に浮かべて仕掛け完了です。

宮本さんが使っている仕掛けは約1㎞で130~140本の針が付いているそうです。

7:50 最初に仕掛けたブイまで戻り、順番に仕掛けを上げていきます。糸をラインホーラー

という巻き取り機にセッティングし、ペダルを踏むことで糸を巻き取ることができます。

9:20 全ての仕掛けを回収できたので、もう一度仕掛けをおろします。

途中で2尾ほどサメがかかったのでリリース。エソやハモ、ウミヘビもかかりましたが

ほとんどリリースしました。

13:20 今回は目標の13個体のオスが手に入ったので2回の操業で終了しました。

豊後水道に生息するシロアマダイは水深約100m付近の砂地に穴を掘って生息しています。

水深100mの海域には光もあまり届かないので、シロアマダイの産卵を誘発する要因は

日長よりも水温が影響していると考えられています。

今年は、水温も下がりきらず黒潮の流入も早かったからか、すでに産卵を終えたような個体

も多く、例年より2週間ほど早かったのではないかと思います。

ここまでわかっていても、水温も潮の流れも予測通りになるとは限らないので、

産卵期についても事前に予測するのは難しいとされています。

今後、それを明らかにするためには研究期間はこれからも資源調査と飼育試験を

積んでいく必要があります。これからも今回の調査とサンプリングが今後の研究成果に

結び付くように応援していきたいです。

この度は、船を出してくださった宮本さん、僚船の裕希丸の宇都宮さん

調査に同行させてくださった水野先生と学生さん、本当にありがとうございました。

宮本さんは遊漁船の船長もされています。タチウオテンヤやジギング、タイラバ等で

乗船したい方は、宮伊丸の公式Instagramからお問合せください。

この記事を読んでくださった漁師さんで、「うちの船にも乗っていいよ!」

って方がいらっしゃったらInstagramでもTwitterでも、Facebookでもかまいません。

DM頂けたら嬉しいです!

プロフィール

かーりぃ|水産チャレンジ応援ディレクター(F-COD

 愛媛県松山市出身(25)。1歳の頃から海への憧れを持ち、水産大学校生物生産学科に進学。4年間の海響館でのアルバイトとダイビング部での活動を経て、水産の道に進むことを決意。愛媛県の水産試験場で宇和海の資源評価・管理に係る業務を行い、『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024』を受賞。
 現在は、札幌を拠点に個人事業主として海難救助に関わる仕事をしながら、福井県立大学海洋生物資源学専攻で、いわし類の利用流通に関する研究を行っている。「令和の海って疲弊してたな」って言うために、SNSを駆使して水産業及び関連産業の振興と漁村の地域創生に貢献していきます。

SNSリンク集:https://instabio.cc/mermaid-carly

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